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ON AIR#904 クライマーズ・ハイ(2008 日本 145分 7/06 新宿バルト9にて)

映画
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クライマーズ・ハイ
・評価がめちゃくちゃ分かれそうな作品でしたが、もともと、賛否両論を承知で作られてる原作の映画だしなあ。

・何がいいって、久々に面白い大人の社会群像を見た気がするんですよ。誰も彼もが自分の信念や、理屈を持って闘う。サスペンスともミステリーとも違うのに、話が進むに連れて、群馬で起きた最悪の飛行機事故に関係した人間の生き様が感じられた。ひとつの記事に、プライド、エゴ、責任がこれほどまでに混ざり合っているとは。新聞記者は真実を伝えるという綺麗な使命、他社よりも先にスクープを抜く泥臭い使命の狭間で悩み続けている。

・この映画を批判する人もけっこういるようだけど、映画の面白さって本来こういうことなんじゃないかな、と思う。役者に粋な台詞を言わせれば観客は涙するし、シーンを構成すればどんでん返しで観客をだましたりもできる。どんな映画でもそれに気を遣えば、並以上のものはできるだろうし、自分自身そういうことを講師に教わった。

・けれども、人間だけはその映画にしか映せないことがある。生き様やコトバにならない気持ち、感情のぶつかり、葛藤は、作る者の手によってしか出せない。観る人にその生き様が影響を与えて、それが生きるための指針になる切欠になるとしたら、それこそが映画の意義なんじゃないかと思う。僕は、「クライマーズ・ハイ」の、登場人物たちの人生がにじみ、なんでもないような言葉まで訴えかけてくるように引き出した脚本と演出に魅せられた。

・余談だが、舞台が群馬なので、観たことのある景色や、なじみのある方言を聴けた。ちゃんと方言の使い方もふまえてる。まあ原作があるからやりやすかっただろうけれど、最近はそういうディティールとかが雑な映画も多いからなあ……。
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