ON AIR#902 ザ・マジックアワー(2008 日本 136分 7/04 新宿バルト9)

マジックアワー。
・なんだかんだで観てしまう三谷映画。今回で監督作は四作目だったかな。ミタニという映画としての一大コメディジャンルができつつあるのは三谷監督の残した大きな業績だよなー。

・シチュエーション作りが毎度のことながら本当に上手い。どういう状況が面白いか、ということをわかっている人だから、ところどころ、ツボにはまると笑いが止まらなくなる。

・ただ、ちょっと長い。サービス精神旺盛なのはわかるけれども、やっぱりカットすべきムダなシーンはたくさんあって。過去の三谷作品の中に出てきた俳優の友情出演、あっと驚く有名人の登場(今は亡き市川崑監督が出たときは感慨に浸ったが)など、そういうのはもういい加減にやめて欲しい。演劇だとどうかはわからないが、著しくテンポが落ちる。

・笑わせてはくれるがそれ以上に心を突くパンチがいまひとつこなかった感もあった。佐藤浩市が演じていた売れない俳優から、夢を追う人間の悲哀、プライド必要性、そういうものは辛うじて伝わってくるけれど、やはり状況や台詞の面白さを優先し、どういう展開が面白いかだけに縛られて映画を作っている。そのため、佐藤浩市以外の俳優から、人間臭さは微塵も感じなかった。

・そして、ラストは結局こうなるという「オチ」からの逆算が感じられてしまったのが痛い。監督が脚本出身の方であることはわかるけれども、わかってしまうあたり、観客に作り手としての算段を読ませないことも重要な映画においては残念に思う。

・「THE 有頂天ホテル」と比べてしまい申し訳ないが、特定の制限された状況下で、あるひとつの目的に向かっていくが、笑いと混沌の先にどういう結果になるのか全くわからない、つまりは先が気になってしかたないという感覚が今回はない。だから、観てるこっちとしては大変ながーく感じてしまった。

・僕としては小日向文世が面白かったんでそれで良し。ミタニ映画の面白さは堪能したが、永く僕の記憶に残る映画かは、確信が持てません。
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