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Radio Wavelog -Contact Of Personality-

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ON AIR#852 ハンティング・パーティ(2007 アメリカ/クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ 103分 5/15 新宿武蔵野館)

映画
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ハンティング
・いやーすごい。戦争の矛盾をブラックユーモアたっぷりに突きまくっていた。「愛と青春の旅だち」の海軍士官学校の生徒なんかより、腹のところどころが黒くなりかかったジャーナリストをやったほうが映えるよリチャード・ギア。

・この映画は、結局戦争を美化してありきたりなメッセージを押し付けるみたいなアメリカの戦争映画とは違う。緊迫に次ぐ緊迫の果てに、「結局、戦争って私欲なのよね」って思わせてしまうのがいい。そう、この映画の登場人物たちにとっては、戦争の真実をジャーナリズムで斬るという志は、頭の中には30パーセントくらいしかない。サイモンの目的は他にある(実はこれが本作の核だったりする)し、ダックはただ、戦争がもたらす生死の境を見るスリルにノーテンキながらも魅せられているだけである。ベンに至っては親父に少しくらい歯向かいたいという個人的欲求からサイモンについていくことになるわけで、こいつらドンダケ自己チューなんだよ、と思われてもしかたがない。

・しかし、ジャーナリストたちから見れば、戦争の現場はそれ以上に自己チューだった。彼らが追うフォックスだって、CIAや国連の連中だって、私欲のために争いを起こす。何から何まで、そこに正義なんてものはカケラも感じることなどできないのである。それが自己チューな感情であれ何であれ、偽りの大義名分の中に死んでいった者たちの姿に、無関心でいられないサイモンたちの熱情に燃える。

・笑えるようで笑えない。苦笑いだけさせられるそんな映画だが、どんなときでも表面だけ取り繕う国家のウラをさらけ出させる。サイモンがハントしようとしたのは、「フォックス」を超えた何かなのかもしれない。
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