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ON AIR♯61 ~のびた身長文庫 重松清「口笛吹いて」~

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今日は授業が終わった後、友人&先輩と部室でおしゃべり。その後、芸術祭でやる一年生のための企画、「電波男」のミーティングをしました。僕は演劇学科で戯曲を学ぶ同輩を見ながら脚本を一緒に作っていくことにしました。彼は本当に詳しくてカッコよくて、大好きな友人です。
僕にストーリーのネタをくれたりした文芸学科の友人たちにも感謝。おかげで今日のミーティングがすごく充実しました。面白い企画になればいいなと思います。興味がある方は11月に江古田キャンパスまで。

その帰り、僕がいつもの地元の駅に着いたときの話をします。僕が一通り電車の中でスヤスヤ眠ったあとだったので、僕は寝ぼけてフラフラしながら歩いてたんですが、そこになんと中学時代の後輩が。
彼は今、埼玉のD大学に通う一年生だそうです。僕と同じく、遠いにも関わらず自宅から通ってるみたいです。ちょっとしか話せませんでしたが、お互いに自分の近況を話し合えてよかったです。歳は違うけれど、学年的には同じなので、大学一年生同士の爽やか(笑)な会話を楽しめました。
中学時代は卓球部に所属していたんだけど、そのときの後輩が彼。でも当時の僕は、先輩というだけで、一つ年下の彼にずいぶん威張り、迷惑な想いをさせてきました。そのことが今でも恥ずかしく、あげく浪人までして、たまに駅で見かけても気づかないフリをしてたんだけど、大学生になったら、素直にその過去と向き合い、彼と話すことができました。
大学四年生のある先輩があるとき部室で言いました。「二歳か三歳年上なだけでどうして威張れるかっつーの」。そうなんですよね。確かに彼は大先輩であるにも関わらず、威張らず、でも先輩らしく、僕にいつも楽しい話をしてくれます。僕にとって彼は理想の先輩です。二歳か三歳の歳の違いでもあまり変わらないのに、ましてや一つ違うだけで威張っていたあの頃の自分が情けない。それなのに今日話しかけてくれた後輩に、今はすごく感謝してます。僕の行った大学のこともすごく褒めてくれて。「すごいじゃないすか先輩、頑張ってくださいね」その一言がどんなに励みになったか。

うん、先輩後輩というものはあっても、僕らに歳の差はそんなに関係ないんですね。

それでも僕の情けなさは消えることがなく、ふと、自分の歳と相手の歳を比べてしまう自分がいます。現役で受かった同輩に、「俺、この人の先輩だったらよかったな」と考えたり、現役で受かった二年生と話してるときに「この人と同輩だったらよかったな」って、いまさら現実にならないことを考えてしまう自分。本当にバカみたい。そんな自分と戦いながらも、僕は大学一年生としての生活を歩いています。今を受け入れた自分は、今日も楽しい一日を送りましたよ。今だからこそ楽しいんですよね。
今日紹介するのは、重松清さんの「口笛吹いて」です。ものぐさなもので、読み終わってから数日経っているので、説明不足になってしまうかもしれませんが・・・。

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偶然再会した少年の頃のヒーローは、その後、負け続けの人生を歩んでいた。もう一度、口笛の吹き方を教えてくれたあの頃のように胸を張って笑って欲しい――。
家庭に職場に重荷を抱え、もう若くない日々を必死に生きる人々を描く五篇を収録。さりげない日常の中に人生の苦さをにじませる著者会心の作品集。


口笛吹いて
さすがは表題作。個人的には一番よかった。
注目したのは、「負け続けること」について。人生における「負け」っていうのはとても漠然としているものなのに、僕自身、人生の中では負けた回数のほうが多い気がしてしまう。だからといって、「勝ち」の定義もわからない。
この作品の主人公の兄貴分的存在だった、晋さんをここまで落ちぶれさせていいのかと思うほどに徹底的に痛めつける重松清の作風は相変わらず切なさに溢れていて、僕は好きだ。それにとまどうジュンペーの戸惑いや葛藤もとてもリアルだ。
この話が作られた当時の風景も、物語に反映されている、リアルな作品でもある。日本の文化を、重松さんがいかに敏感に感じ取っているかがわかる作品でもあります。日常に目を向けるって大切ですな。

タンタン
タンタンは元熱血教師だったらしい。なのに今は。その姿が、自分の父親と似ていて、歯痒いと思い続ける女の子。
自分の言ってることに矛盾を感じるっていうことはよくある。そういうときのあのもどかしい気持ちは、一度経験したら忘れられない。
この話の親父は情けない。でも、決して憎めない。憎めないからこそ悔しさを感じてしまう。そして先生の言うことに真っ向から反論していたのに、いつのまにか先生のいうことも納得していたり。
こういう気持ちを乗り越えながら、僕らもオトナになっていくんだろうな。そしていろんなやるせないことに慣れていくんだろうな。

かたつむり疾走
これも「タンタン」と同じく、浩樹というティーンエイジャーの葛藤が書かれている。「タンタン」が女の子から父を見つめる作品であれば、この作品は男の子からだ。
誰だって、仕事をしている親を見ていると感じるような疑問を感じることがあるんじゃないか。自分だってそうだし。「こういう仕事なんかで楽しいのかな?」と思ったりもするもの。それが僕ら子供のためのことであっても、それが逆にプレッシャーになって、強がってみたり、反発したりするんだよね。これもちょっとリアル。でも、最後はすこし微笑ましい。これが親子。

春になれば
息子を早くに亡くした妻が、その哀しみを乗り越えて臨時教師として復帰する。しかし、そこに待っていたのは困難だらけの日々だった。
子供を持つ親の気持ちを分かっているはずなのに、結局彼女に今、子供はいないわけで、その設定があるだけに、見ているだけで真剣になってしまいましたよ。そしてもう一人のレオ君という登場人物も、その親もとても切ない。誰も悪くはない。ただ、むなしさだけがあって。
「親」であることの難しさを味わうにはもってこいです。ですが、重松さんらしい明るいラストに、誰もが微笑むはず。

グッド・ラック
重松さんお得意の「老い」「中年」な物語だが、今回はジェンダーという難しい問題を取り入れている点でとても新鮮でした。
心の片隅で、「男は仕事、女は家庭」という考えを抱き続けている夫と、その考えに気づいてしまい、ひたすらに拒絶し続ける妻の末路。他にも、ジェンダーについてのことが書かれまくっている。苗字の変更の問題とかね。
この物語で使われている人生ゲームの使い方がいい、「結婚」のマスで必ずストップする人生ゲームに対して疑問を持ったりするところは嫌にリアルだ。
そしてひしひしと迫る「老い」、妻との関係ばかりでなく、子供のことも考えなければならない。何もかもが負担となった中年男のむなしさが書かれている。
この話の主人公とその妻は大学生から、自然自然と仲良くなり、結婚するまでに至った、僕にとっては幸せそうに見える結婚なのですが、すべてを諦めた男の考えている文章には、「このまま友人としてやっていたほうが・・・」とかいうことが書かれています。哀しいですよね。結婚で難しい。しなければ気づかないことが、若いころにはきっとたくさんあって、それにどれだけ向き合えるかが問われてるんですね。

全体を通して、前回の「カカシの夏休み」以上に、答えを出さない短編集でした。見せてくれるのは過酷な現実と、それに戸惑いながらも向き合う登場人物たちの姿。悪人も善人もない。だからこそ元気がもらえて、登場人物たちを応援したくなってしまう。僕はいつもこういうのに惹かれてしまうんですよね。


曲はB'zで「Wonderful Opportunity」。悩みをもつすべての日本人に捧げるべき一曲(笑)。
最近はなんかB'zばかりっすね・・・。でもこの曲は辛いときにかなり励まされましたね。数あるB'zの応援ソングの中でも一際素晴らしい輝きがある。
「IN THE LIFE」というアルバムの一発目なのですが、このアルバム、「ALONE」などの、割とJ-POPを意識した作品が多いのが特徴です。他にも「あいかわらずなボクら」など、今のB'zらしからぬ面白い曲もあったり、エアロスミスの某曲とくりそつなAメロのある「憂いのGYPSY」などもある、初期のB'zの中でも名盤の部類なのではないでしょうか。B'zの作品は多いので人によって違うんですけどね。

手も足も出ないような 悩みに縛られて
ひとりきりむりやり酔っぱらって アルバムを抱いて寝た
目が覚めれば気分が悪い それだけで 何も変わってないね やっぱり

逃がさないで 逃げないで 胸の痛みと手をつないで
明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフイッツオーライ

窓の外すがすがしく 晴れてれば晴れてるほど
哀しくなるのはとても寂しいことだと思います
僅かな月日で積み上げた 幻を後生大事に拝むのはもうやめた

逃がさないで 逃げないで 胸の痛みと手をつないで
明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフ
甘えたいね ぬぎたいね ツラいおもいしないのはダサイね
素通りしたいけど
イカす男女 ナレるでしょう 切り抜ければ待ってる次のショウ
トラブルは素晴らしいチャンス
シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフイッツオーライ

逃がさないで 逃げないで 胸の痛みと手をつないで
明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフ
楽になりたい 泣き出したい いつか今を軽く笑い飛ばしたい
なんとかなるよ
イカす男女 ナレるでしょう 切り抜ければ待ってる次のショウ
トラブルは素晴らしいチャンス
シンパイナイモンダイナイナイナイザッツライフイッツオーライ


「トラブルは素晴らしいチャンス」。このフレーズには思わずしびれますね。自分も今のトラブルをチャンスに変えてイカす男になろう!!

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  •  重松清「口笛吹いて」
  •  私が最も好きな作家である重松清の「口笛吹いて」を読んだ。この本は5つの短編から構成されている。■ 表題作「口笛吹いて」は26年前の親分と子分の再会を描いたストーリー。26年という年月がとてもシビアに描かれていた。シビアだけど、これが100人中99人が通る「現実」
  • 2005.09.06 (Tue) 00:10 | 不可解あってのユートピア