ON AIR#591 ~遠くの空に消えた(2007)~

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かなり評価が低い映画デス。キネマ旬報でも低いんだから、後々まで残る映画ではないのかも。

役者が光っている。神木はだいぶ声が男らしくなってきたが、幼く純粋な演技ばかりしてきた昔よりも、こういう毒のある役をやれるようになってから、本来の存在感が見えてきたようだ。幅のあるいい役者だ。
そして、ささの友間。名バイプレーヤー、笹野高史の息子だが、彼に負けない演技力である。圧倒される悪ガキっぷり。
それに、原作モノの多い映画脚本の中で、オリジナル脚本を映画化しようとした監督の熱意は充分買える。

キャラクターのつくりも上手いし、台詞も心動かされる。過去と未来の違いに想いをはせ、せつなさに暮れる人々はきっと多いのだろうが、そういうときに、どうしても行動しなければならない衝動に駆られる少年たちの拳に、胸が熱くなる。

少年が純粋な心を持っているなんていうのは嘘だし、それなのに平気でそんな子供を描いてしまうダメな作り手はたくさんいる。だが、この映画には、ひねくれながらも、ひねくれ者なりの生き方があって共感できる。思えば最近の映画にはこういう人間たちは登場していない。リアルに描けばいいというものではなく、制作の底に隠された根本の心情を描ける作家がなかなかいない中、こういう登場人物が出てくる映画は貴重とも言える。

この映画に対する批判は絶えないが、少なくとも、心が不快になる映画ではなかった。こういうファンタジー、あっていいと思うのだが。
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