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ON AIR#539 ~アヒルと鴨のコインロッカー(2006)~

映画
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少し前に出していたシナリオコンクールの結果ですが、箸にも棒にも引っ掛からなかったなぁ。
奨励賞を受賞していた「小鳥遊まり」っていう人の「あの夏を忘れない」ってシナリオのタイトル……僕が人生初めて書いたシナリオと丸被りだよorz 別にどうでもいいことだけど、無性に腹が立つし、ライバル心が芽生えた。
安い話は書きたくない。だから単位だけのために脚本なんて書きたくないのは分かってるけど……道はまだ、険しい。
最近いろんなことを悩んでる。これからどうすればいいんだろうね。

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劇場公開の映画を観て、「これは!」と思うことはあまりないのだが、本作はそんな映画に対する諦観を一気にぶち壊す物語であった。

脚本の構成上、物語を語ることはできないのだが、本作には、異民族たちが紡ぎ出している独特の物悲しさが漂う。
本作の感想からはちょっと脱線するが、主人公の椎名は、進学のために、東京から一人仙台にやってくる。そこで出逢う大学の人たちは皆、仙台の人間ではなく、自分の故郷の方言を話すが、椎名には標準語しかない。自分を励ます言葉はボブ・ディランの「風に吹かれて」。しかしそのディランが、意外なつながりを持って後の展開へと進むことになる。
不思議なことに、彼らに深く関わる人間たちは皆、東北の言葉ではなく、標準語を話す。皆が皆、心のどこかに孤独を抱えて、繋がり合いながら生きているように感じられる。
他の場所からやってきたというだけで差別を受け、違う目で見られなければならない悲しみ。動物を思い、人を愛す心に、県境も、国境もないというのに。

本作は最近まで話題であった映画「ゆれる」のように、真実を言うにはもったいないミステリーである。特に一見関係なさそうな、無駄ともとれる台詞が、最後に意味をもたらすという手法は、ストーリーを作りたいという者にはこれ以上ない教材となるのではないだろうか。

しかしながら、そういうことは抜きにして、純情なる映画である。恋人でもいい、友人でもいい。ただ、人の持つ「愛」が、耐えられないほどの悲しみや孤独に打ち勝ったとき、そこにルールは存在しなくなる。

ここまで、人を愛することが、果たして今の僕たちにはできるだろうか? 映画に出てくる登場人物はルールを超越していく。だが、そんなことは到底できそうもない僕たちをあざ笑うでもなく、ひっそりと横に寄り添う。

境界線はいらない。少しずつでもいいから、この映画から「勇気」をもらいたい、と思う。絶賛に値する作品である。
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