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ON AIR#502 ~麦の穂をゆらす風~

映画
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書いていた脚本ですが、ついに完成!
表参道にあるシナリオ・センターに提出してきました。
ここまで長かった……。手が痛い。
次の公募までにはまだ時間があるけれど、そろそろまた動かないといけない。
ところで、表参道(青山)は本当にブティックだらけでした。
こんな街が同じ日本にあるだなんて信じられません。
というか、オシャレすぎ。
表参道という街は、全力で僕を拒否していました。
表参道駅のa la pageという店はなかなかよかったです。

そんでもって、今日は六花さんと映画を観たりして遊んだ後、バイト先の送別会に行きました。
また一人、素敵な先輩が卒業してしまいました。寂しいものです。
何より世の中がせまいと思うのは、部活の先輩と、劇団関係の友達が、こうして知り合っている、ということですよ。縁というのは不思議。

麦の穂をゆらす風
麦の穂をゆらす風(2006)

ケン・ローチ監督の作品というと、「ケス」というなんとも哀しい映画を思い出すのだが、今回の映画も哀しみの中に想いを託していた。「やさしくキスをして」などでも、異教徒同士の恋愛など、社会的テーマに怖じ気づくことなく挑んでいた監督なだけあって、今回も「逃げ」がない。堂々と戦争に立ち向かう。本作は、映画で戦争の本質を描きづらくなったこの時代に於いてとても価値のある作品だ。

静かに忍び寄る戦いの足音が聞こえる序盤から、目を覆いたくなるような暴力、人と人の罵り合い。容赦のない哀しみと恐怖の応酬に、この作品が映画であることを忘れてしまう。一つ一つが目の前で本当に起こっている出来事であるかのような映像の中に、いつの間にか、観る者は生きることになる。

あくまでアイルランド側から戦争を捉えているため、英軍が一見的に見えがちだが、凶悪な態度を取る上官の前で、ただオロオロと状況を見ている若い英軍兵士や、親戚にアイルランド系の人がいるがために、暴力を振るわれるアイルランド人を見るに耐えかね、対して救いの手をさしのべようとする英軍兵士などが、ところどころで登場するところが、実にリアルだ。決してカタにはまった映画ではない。

やがて、裏切りにまみれた罠に、主人公たちはつかまっていく。密告者がかつての仲間だったがために、戸惑いながら処刑をしようとする主人公と、これから死を迎えるかつての仲間の会話などは、救いのない哀しみに満ちている。

そして、アイルランドが独立を手にしたと思ったのもつかの間、今度は国内での主義の争いのために、仲間が殺しあうことになる。主人公も例外ではなかった。仲間が殺されながらも、殺し合いから手を引けないまで、彼らは戦争という泥に足をとられてしまっていたのだ。

この映画が現代に伝えようとしている想い。それは、移ろいゆく社会の前で、人々は仲間を殺してまで自分たちの「国」を動かそうと試みる、その偉大さと、愚かさである。

「国」というものは目には見えず、だからこそそれをよりいいものに変えていく先人たちの姿勢というものに対し、僕らは常に尊敬の念を持たなければいけないことは事実だ。だが、彼らがそうであったように、僕らはいつのまにか、本来目を向けるべきであった者や、大切な感情を、社会にすりかえられたまま生きているのではないか。

もし本当にそうなら、偽りの正義のもとで、過ちはこれからも繰り返されていくだろう。
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