ON AIR#3212 “A form of courtesy”

昨年十二月に、とある後輩がうちにやってきて、ワインを飲み残して帰っていったのが、まだうちに残っていた。
自分はワイン(と日本酒)がてんでダメなので、ずっと置いてあったのだが、
ずっと残しているのもあれなので、ワイン鍋にしてやった。ワイン鍋というか、調理酒代わりである。
それにしても、鍋キューブを開発した味の素さんはすごいよね。入れるだけでもう鍋っぽいコクができるもんね。
あとは具材をちゃちゃっと入れて煮込むだけで完成である。この冬はすごく役に立っています。
ただ、本末転倒もいいとこだな、と思うのは、
一月末の舞台が終って、自炊をふたたび始めた今月のほうが食費がかさんでいて、
二月の中旬ですでに先月の支出をオーバーし、今月すでにピンチであるということ。
一月は毎日のように外食またはコンビニ弁当や菓子パン、カップラーメンだったのに。
(ひどい日にはポテトチップスで夕食を済ませていた。とにかく食欲が一月はなかった)
いくら東京はなんでも物価が高いとはいえ、おかしくないか?
このままでは正真正銘のマネーマネジメントができないやつだ。ほんとうに情けない。
初めてのワイン鍋は、煮込み過ぎて不気味な色になってしまったけど、味はなかなかだった。


私の部屋にワインを置いて行った彼は、とても礼儀正しい男である。
酔って堂々とぐーぐー寝たり、よく私にタメ口を利いたりするけれど、根はほんとうにしっかりしている。
そして相手想いだ。他人の成功には涙を流して喜ぶ。
そういう、人柄に芯みたいなものがあるから、仕事に、仲間に恵まれたりするのだろう。

不愛想でそっけないメールだろうと、たった一言の「ありがとう」とかが、実はけっこう嬉しいものだ。
自分の舞台のチケットを買ってくれたひとには、まず「ありがとうございます」。
観に来てくれたら、そこでまた「ありがとうございます」だ。
ひとつひとつの簡単な礼儀が、どうしても忘れがちになる。

前の舞台で、僭越ながら後輩に助言をさせてもらったときに、
「ありがとうございます」とわざわざ言ってくれた女優さんがいた。
もちろんそれは嬉しいけれど、そういう「ありがとうございます」ならいらないよ、と伝えた。
上手く説明できないが、私は学校の先生じゃないし、演出家でもない。感謝されるようなことはしていなかったから。
一度同じ舞台に上がってしまえば、先輩後輩や年齢の上下は、単なる、芸歴という道のりの違いだけで、
作品のなかでは、役者と役者。常に、一対一なんじゃないかと思う。
感謝を口にすることで、貸し借りにも似たようなものができるのが嫌だった。
そういうのが、この場合の礼儀だと思った。


まあ、そんなことを書いておきながら、私は礼儀には疎い。
何も解らない私に、教えてくれたのも、森岡さんなんですよねえ。
ストレイドッグに入って一番最初に怒られたのが、たぶん事務所の玄関での靴の置き方。
「お前、教えてもらわなかったか? 他人(ひと)の家に入って靴揃えない奴があるか。揃えろよ!」

鈍足でも、前進しなくちゃね。
せめて、人間として……。一生勉強です。


では、また。
ワイン鍋食べたら、なんかすごくふらふらします。ワインって煮込んでもお酒飛ばないのかな……。


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【この恰好ではきょうは暑いよね】




♪春一番(the original キャンディーズ)/ゆず
いやああ、これはかっこいい!
できればフルで聴きたいくらい、かっこいい!
ゆずは侮れないっすねー。 
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