ON AIR#3208 “Thank you, Daniel Bryan.”

Twitterで軽く触れたけれど、WWEの元王者、ダニエル・ブライアンが引退すると発表した。
「イエス!」チャントで一躍トップスターに成ったレスラーだけど、
キャラクターとは別に、レスリング技術でマニアを沸かせた選手だ。
おまけに、身体もほかのWWEのスーパースターに比べると格段に小さい。
(それでも178センチあるけど)
それでも持ち前のスピードや跳躍力、多彩な関節技や強烈な打撃などで魅せる様は、
「体が小さくてもやれるんだ!」
ということを教えてくれた。
同時にどうしてもハード・バンプになりがちだったので、
それが結果的に自身のレスリング人生を縮めてしまったことは否定できない。
WWEの、細身だったり、軽量級からのし上がる選手の寿命はけっこう短くて、
エッジも引退してしまったし、クリスチャンも事実上、実戦からは身を引いているらしい。
セス・ロリンズもそうならないか心配だよ。
今年のレッスルマニアはどうなるんだろうなあ。
セス・ロリンズも、ランディ・オートンも、ジョン・シナもいない。
それ以外の目玉選手も軒並み故障してて、まさに緊急事態。
観るには観るけど、心配しかないよ。

プロレス、とりわけアメリカン・プロレスを見ていると、舞台役者に必要な要素がたくさん詰まってると思うんですよね。
レスリング=殺陣だけじゃなくて、360度から見られているという意識で何かを演じるって、尋常じゃない神経を使うだろうし。
マイク・パフォーマンスとかだけ見たって、会場の最上階にいるお客さんにまで届けるにはどうしたらいいのかがわかる。
だからアメリカン・プロレスにおける演技論みたいなものを研究するともう止まらないわけなんです。

一番面白いのは、役割やアングル、ギミックなどがちゃんと存在していながら、リングの上では自分でいる状態でなきゃいけないとこなんですよ。
この面白さを、アメプロを知らないひとにどうやって説明していいのか、分からないんですけど。
自分でありながら自分を演じなきゃいけない究極の現場、それがプロレスリングなのです。

日本のいろんな芸能人も、ひな壇の上では視聴者の思う「そのひと」を演じているでしょう?
それと同じ感覚だとは思うですけど、ビンス・マクマホンがビンス・マクマホンという人間を演じてる様なんかは、日本人の誰にも真似できないでしょうし、ザ・ロックやストーン・コールド・スティーブ・オースチンをもってしても、ビンスには敵わなかった。

WWEを視始めた当時、アングルやギミックということを一切知らずに「ドラマ」を見ていた私は、
リングの内外で沸き起こるすべての事象に興奮し、熱狂していたように思います。
ある程度オトナになって、それが予め決められた、悪い言葉で言えば「予定調和」だということを薄々知ってからは、
世のプロレスファンと同じような見方をするようになったけれど、
時期を同じくして役者という観点で試合を観るようになってからは、なおのこと、選手個人に注目していくようになりました。

でも結局のところ、少年時代に戻りたいなあと思わないでもありません。
最後まで何が起きるか判らない、純粋な、筋書きのない試合と思って視ていたあの頃の気持ちで、
WWEを観ることができたら、幸せなのでしょうけどね。
やはりあの頃のWWEはすごかったんだと思います。
誰も興味ないであろう話ですみませんでした。

では、また。
プロレスの面白さを知ってしまったら、世のスポーツの八百長問題とか、どうでもよくなる。



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【帰り道にて】




♪Ride of the Valkyries/Richard Wagner
ダニエル・ブライアンの功績は大きい。
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