FC2ブログ

田嶋高志

田嶋高志

51nDAU7CRhL__SY344_BO1,204,203,200_

昨年末の日米野球の最中に、球場の近くの本屋で買った小説、『八月からの手紙』(堂場瞬一 著/講談社文庫)を読んだ。
戦後すぐの日本で、野球に夢を見、追いかけた男たちの物語である。
詳しくは書けないが、戦後復興のために日本の実業家たちが、すでにあった職業野球のほかにもうひとつ、野球機構を作ろうとした。そのなかで、かつて職業野球で活躍した矢尾という日系アメリカ人投手が、自身の戦争の記憶を辿る。それは、まだ差別の色濃く残るアメリカで、たった一度対戦した、黒人だけの野球リーグ“ニグロリーグ”最高の黒人バッター、ギブソンとのことだったーー。

泣きに泣いた。
事実をもとにしたフィクションだが、完璧なる野球ドラマだった。
戦後に日米の野球の歴史がどのように現在に繋がったかが理解できる小説になっている。いま、我々が当たり前のように楽しんでいるプロ野球も、こんな歴史の荒波を乗り越えてきたのだ、と。

そして、野球がいかに、日本人に愛され、戦後復興の象徴として、日本人を癒してきたのか、ということ。

奇しくも、日欧野球のあるこの日に、東日本大震災から四年になるこの日に読み終えた。
いまの日本に、戦後の面影などほとんど残っていないのと同じように、四年前の震災も(そして20年前の震災も)、70年もすれば、単なる教科書上の歴史でしかなくなってしまうかもしれない。

しかしながら、我々が野球を愛する限り、復興の火は、人々の心に受け継がれるのではないだろうか。オリックスや、楽天が私達に与えた感動や夢は、戦後間もない日本に生きた人たちと、なんら変わらないものなのだと、改めて確信できた。

日欧野球を、今日こうして楽しめること、当たり前のように明日が来て、シーズンが開幕すること。
その素晴らしさを、噛み締める日になった。

野球のみならず、娯楽は、人を強くさせる。
人に希望を与える。
私もそれを信じて、次の舞台に臨みたい。


では、また。






スポンサーサイト



Posted by

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply