ON AIR#2777 “Even if you cry...”

どんなにひどい番組でも作ったのは私だ。そこから逃げることはできない。満足いくものなんてそう作れるもんじゃない。妥協して、妥協して、自分を殺して作品を作りあげるんです。でも、いいですか。我々は信じてる。いつかはそれでも、満足いく物ができるはずだ。その作品に関わった全ての人と、それを聴いたすべての人が満足できるものが。ただ、今回はそうじゃなかった。それだけのことです――
(映画『ラヂオの時間』より)



高円寺で、所属する劇団、ストレイドッグの公演に顔を出してきた。

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出演者の河合亜由子と。
(できない)マネージャー役がなかなか合っていた。

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ダブルキャストということで、同じ役の村上公野(ゆきの)と。
こちらも一生懸命に役と向き合っているようだった。

千秋楽しか、手伝いに行けなかったが、一日だけでも所属劇団の公演に顔を出すことに意味はあると思う。
ヤクシャそれぞれ、いろんな考えがあると思うが、私はいまそのチームのメンバーだから。
海外でプレーしてようが、召集がかかれば日本代表のユニを着て闘うサッカー選手と同じこと。
私にとっての試合は、毎日の公演。

公演『メイクルーム~すかんぴんアイドル~』、お客様のなかにまじって観させてもらった。
森川さんの舞台には四年前に出演した。『メイクルーム』と『メイクルーム2』。
題材はAV現場のメイクルームで巻き起こるシチュエーションコメディだったが、今回はアイドル版である。
物語には、実在の某大型アイドルグループをモチーフにした子から、地下アイドルとして地道な活動をしている子まで、さまざまな「偶像崇拝」を受ける女の子たちの人間模様が映し出される。
AV版もそうだったが、ほとんどのネタは森川さんの実体験から来ているものらしいし、普段は知ることのできない(時には我々演じ手も知らないような)アイドルたちの裏側を覗くこちができる作品で、長く劇団のファンを続けてらっしゃる方からは早くも再演の希望や、続編はあるのか、など、概ね温かい評価をいただけていた。
そしてそれ以上に、演者としてこの物語を観、作り手をしてこの舞台を肌で感じ、共感というにはおこがましいのかもしれないが、心の奥に流れる感情がときどき激しくなってしまう場面が何度もあった。
それだけ、作り手側の苦悩、演じ手の葛藤、いまに対する焦燥感や未来に対する不安、負けたくないという自尊心が生々しく在る科白や演出ばかりだった。お客様にはあくまでシチュエーションコメディであるにも関わらず、実はドラスティックな人間ドラマとして成立しているのだ。

実は森川さん、これ、業界のひとに向けて作ってない!? と思うくらいで。
そんなナナメな見方をしてるひとなんて、私くらいのものだと思うけど……。

誰もが、終りのないことを、ずっと続けているんですね。
泣いても降りられないことを、私たちは続けていかなきゃいけないんですね。
勇気をもらえる作品でしたよ、森川さん。
上演後、入口で、「どうだった?」って訊いてくださったときには、うまく言葉にできなかったんだけど。

また、演りたい!
では、また。





この曲を覚えているストレイドッグの俳優も少なくなっちゃったなあ。
森川さんがこの曲採用してくれたときは本当に嬉しかった。

熊木杏里 - ムーンスター
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Comments 4

とくち  

メイクルーム

それって実はナナメではなくてものすごくまっすぐなんじゃないかなーと思います。
ぼくは作り手側ではないですが、登場人物多いのにひとりひとりが丁寧に描かれていて、みんななにかしらの悩みがあって。
題材はアイドルで映画の撮影現場のお話だけど、田嶋さんも書かれていた人間ドラマとして楽しめました。
まさかアイドルたちのマネージャーさんたちにも思い入れを持てるとは思いませんでした笑
ほんとにステキだったので、再演、続編希望!です!

2014/06/17 (Tue) 08:51 | EDIT | REPLY |   
田嶋高志">

田嶋高志  

コメントありがとうございます。

とくち様

出演者それぞれが、与えられた役を一生懸命理解し、命を吹き込んでいましたね。
マネージャー役の村上や河合も苦労したとは思いますが、見ごたえがありました。

森川さんの初演出作品から関わっていますが、自分もいつかまた協力できる機会があれば。
ご来場いただきありがとうございました!

2014/06/19 (Thu) 19:17 | EDIT | 田嶋高志さん">REPLY |   

森川圭  

ありがとう

田嶋君のブログ久しぶりに見ました‼︎
ムーンスター 今回の客入れの時(最終日は違ったけど)に何回か流したよ。

2014/06/19 (Thu) 23:30 | EDIT | REPLY |   
田嶋高志">

田嶋高志  

コメントありがとうございます。

森川圭さま

コメント欄見てびっくりしました!
久々の閲覧、ありがとうございます!

え、流していたんですか!
『恋するリリー』もなんですが、この曲は誰かに教えてた記憶があんまりなくて、驚きとともに嬉しさを感じています。
森岡さんの演出舞台も音楽が好きでよく聴いているんですけど、森川組の音楽はモンティ・パイソンやクリームなど、自分の新しい音楽的価値観を教えてくれたような気がしています。

巡業などでなかなか劇団の舞台に出演していないのですが、絶対また森川組の公演に出演したいと願っています。せっかくここまで続けてきたんで、食らいついていきたいです。

また、気が向いたら、ブログ読んでくださいねッ。

2014/06/20 (Fri) 22:42 | EDIT | 田嶋高志さん">REPLY |   

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