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ON AIR#296 ~浅倉卓弥 「四日間の奇蹟」~

書籍
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2時間かけて通学する学生にとって、携帯いじりはその場しのぎにすらならない。
本当の必需品はやはり文庫本。

書店で手に取った文庫のカタログを読んだ。
なかなかよさそうな作品があったり、
読みたかったのに読まないまま忘れてた作品があったり。
森絵都さんの「永遠の出口」とか読みたいなとふと思ったんですが、
なんか彼女、なんかの作品で直木賞かなんか受賞したそうで、おめでとう。

映画は広報の力が大きくて、別に面白くもない作品が数字でヒットしたり、本当にいい作品が埋もれてしまったりする。
比べると、本はテレビでもラジオでもあまり広告されないので、活字離れが進む反面、自分で開拓していく楽しみがある。オリジナルの価値観を育てるには読書っていう趣味が一番ステキだと思うのです。

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四日間の奇蹟

四日間の奇蹟(宝島社文庫)

佐々部清監督作品として映画にもなった小説。

純文学ではない。といって、まるっきりミステリーとかファンタジーとかに傾いている印象もない。不思議な小説だった。

個人的に考えたことだけれど、この作品は、いろんな意味で「まっすぐ」な小説なんだと思う。設定とか、物語自体は現実離れをしていようとも、その中で揺れ動く登場人物たちの想い、願い、悲しみは全てにおいて邪気はなく、まっすぐに、何かを――それが言葉では表現できない、目に見えないものであろうと――探してもがいている。そして最後の最後まで、ストーリーはぶれることなく走っていく。

一人称形式の文体でもあるんだろうけれど、クライマックスに向けて発射されたかのような展開が読む人を楽しませる。死と生、絶望と希望、想うこと、嘆くことの意味が繋がっていく、とても読み応えのある作品である。

世の中、奇蹟はなかな起きはしないけれど、この作品の一つ一つの言葉は僕を勇気づけるものであった。たとえ奇蹟が起きずとも、自分が自分として生きていければ、何か救われるんじゃないかな、という気がした。それが気のせいであっても、はかない望みであっても、奇蹟は信じて損はないのだ、と思う。
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