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ON AIR♯23~のびた身長文庫 宮部みゆき作品「理由」~

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部会の皆様、新歓コンパお疲れ様でした。すごく楽しかったです。
二次会のあと、三次会として、カラオケにも行きました。
そして、徹夜あけに先輩の家でギターを弾き、コーラスをし、来たる芸術祭のためのCD作りもするという、ハードながら、いかにも大学生らしい(?)、充実した二日間を過ごすことができました。
写真も、インスタントカメラ二個分を消費したのを近く現像して所沢キャンパスに持ってきます。江古田の先輩はなかなか見る機会がないかもしれませんが、通常部会のときにでも見てみてください。
さて今日紹介するのは、宮部みゆきの「理由」という、直木賞を受賞した大作です。
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1996年6月5日。
超高層マンションで起こったある殺人事件。メディアの中で幾度となく繰り返されては忘れ去られていく殺人事件が、宮部みゆきの手によって、一人一人の人間の生き方までえぐりとっていく様は必見です。ノンフィクション的フィクションと言うべき文体も、一見の価値ありでしょう。

とにかくこの作品は現代社会に対して訴えかけるメッセージが強いのが印象的でしたね。それはメディアというものの問題点であったり、家族の絆とかであったり、宮部みゆき自身が感じてきた疑問が、この作品には盛り込まれているのです。

これは読んだあとの人にしか解らないことなのですが、自分自身、家族との絆が鬱陶しくなって、他人と暮らせたらどんなに楽だろうかとも思う。実際、大学にいてイライラすることはまったくといっていいほどないし、逆に家にいると腹が立つことばかりです。
ですが、だからといって、家族と自分を結ぶ糸を断ち切ったならば、きっと、将棋倒しのように、他人、社会、すべての糸を切ってしまいたくなるんだろうなとも思いました。自分もそうなる危険は十分に持ち合わせているのです。

この作品には、絆を断ち切ろうとした人間によって、人が絆を深めていく様が克明に映し出されてます。でも、この物語に登場する人物は、どんな性格であれど、全員が全員、自分なりの道理に従って生きていて、どの人物も無駄になっていないのが素晴らしい。本作には完全な善人も悪人もいないのです。推理小説、ミステリー、というよりも、一種のヒューマン・ドラマと言ったほうが近いかもしれません。

日々、情報が使い捨てられる現代では、どんな殺人事件さえも仮想現実とされ、一年後には忘れ去られていきます。しかし、この日本の中に、殺人事件が結ぶ「糸」は確実に人を縛っていきます。いつ何時、自分を縛るかも分からないのです。

なぜなら「彼」は、今もここに存在しているのだから。

この殺人事件が起きた「理由」は、もしかしたらあなたにあるかもしれない。

非常に面白く、それでいて怖い。なのに優しささえも兼ね備えた素晴らしい作品だと思いました。賞をもらったのもうなずけます。

本作は映画化もされています。どちらかというと、映画版は「優しさ」、小説版は「怖さ」重視です。
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曲は「理由」の舞台と同じ1996年に発売されて大ヒットしたTHE YELLOW MONKEYの名曲中の名曲、「JAM」。

“あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も
みんな昔子供だってね”

この歌詞、「理由」にも通ずるものがあります。子供は親を選べない。その物悲しさが出ている作品でもあったから。

この曲が生まれたことこそ大事件のような気もします。
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Comments 2

ししの  

昨日はお疲れ様でした。
そして重ね重ね失礼いたしましたorz

のびちゃんの感想読む限りだと、「理由」面白そう。
ウチにも宮部みゆきは何冊か置いてあるけど、置いたままインテリアと化してます……。
これを機会に読んでみようかな。

2005/06/06 (Mon) 01:23 | EDIT | REPLY |   
のび太は受験生  

まぁ読んでみてよ、面白いよ。
僕は男性作家より女性作家の方が好きだ。読みやすくてきれいな文を使えるから。

僕は映画でも文芸でも、ほめるの好きだよ。淀川長治さんみたいな人になりたい。

2005/06/06 (Mon) 23:27 | EDIT | REPLY |   

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