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ON AIR♯21 のびのびシネマライフ~井筒和幸監督作品「パッチギ!」を鑑賞する~

映画
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6月4日の土曜日に、新歓コンパっちゅうものをやります。非常に楽しみです。僕は今の部活と部員の皆さんと話すのが大好きなので、当日は思いっきりつまんないこといってウザがられようと思います。
盛装はみんなやるそうなのですが、先輩曰く「やらないほうがいい」とのこと。どうしてなのかは分からないですが、先輩の話を受け入れて失敗したことはほとんどないので、普通のスーツを着てこようかと思います。スーツを着こなす、スタイリッシュなのび太に期待。
さて今回は、井筒監督の最新作として話題になりました「パッチギ!」の解説を話しますね。
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1986年の京都を舞台に、ごく普通の高校生の康介と、在日朝鮮人のキャンジャとのラヴストーリーといえばそれまでなのだが・・・

とにかく、俳優たちの演技が凝っている。脚本だけじゃ絶対に描けない人間らしさが出ていて、井筒監督の洗練された演出に、改めて感動。
映像も凝っている。1968年の京都の街をCGを駆使して巧みに再現していて、少しの違和感も感じなかった。
たびたび登場する喧嘩の場面も、最近の映画に多い、痛々しいだけの暴力シーンとは違い、本作の暴力シーンは実に爽やかで、あほらしく、面白く、若さに溢れていた。
そんなコメディ要素が強い一方で、今まで知ることのなかった、在日朝鮮人を取り巻く問題というのを僕のような若い世代に目の当たりさせたのも事実である。

この映画の主人公たちは本当に単純で不器用。小さなことで歓んだり怒ったり。でも、それは決してマイナス面ではなく、「純粋」であるから故なのである。
主人公の康介は特にそう。僕と同じ、生まれてから今まで彼女のいない設定だ。だからこそ感情移入しやすかったのかもしれないが、彼が自分と違うのは、矛盾に対して「これは仕方ないことなんだ」とあきらめることはしないこと。日本と北朝鮮の間に流れている、矛盾という河を彼は溺れながらも必死に泳いでいた。

矛盾という河、という表現をしたが、この「パッチギ!」はまさにそういうモチーフで作られているのである。そう、朝鮮半島を横切って流れるイムジン河という存在だ。
本作には、京都の日本人集落と、在日朝鮮人が暮らしている集落を分ける小川が登場する。その河で、実にさまざまなドラマが繰り広げられる。

井筒監督曰く、イムジン河は人間の心の中にも存在するのだそうだ。

半島を分ける河と、集落を分ける河。どちらも、単純に泳ぎきれるものじゃない。壁などとは違い、簡単に壊すことなどできない。日本人も朝鮮人も、誰もがこの問題について真剣に考え、変えたいと願い、努力しなければ、その河は存在し続けるのかもしれない。

しかし、康介は泳ごうとした。泳いで泳いで、矛盾に立ち向かった。

そしてラスト、キョンジャの兄であるアンソンやその仲間たちが、自分の心の「河」を越えていく姿には涙が流れるであろう。なぜならアンソンも、妹と同じ立場なのだから。

もしかしたら、ほんのちょっとのことで、この河は泳ぎやすくなるかもしれない。それどころか、力を合わせて、簡単に橋を架けることもできるかもしれない。この映画を観て、自分はそんなことを思った。

(それだけに、今年のW杯予選には希望を持とうと思ったが、考えてみれば、無観客試合か。はぁ。)

最後に、本作の成功は、井筒監督が、重々しいテーマに決して臆することなく、誰でも楽しめる正統派の青春ドラマとして仕上げたところにあると思う。南北、そして日本、その痛みを真っ向から見つめつつも、決して韓国映画のような重いだけの物語にせず、シンプルかつストレートな「パッチギ」をぶつけてくるこの作品は、実に痛快だ。


最近になって「のど自慢」と「ゲロッパ!」を観て、一気に好きになった井筒監督ですが、この作品でますますファンになりそうです。

本当に日本映画界、熱くなってきましたね。ネタ切れハリウッドがすごい勢いでネタにしてるもんね。渡辺謙さんもハリウッドだけでなく、日本映画界でもっともっといい作品に出て欲しいもんです。

だからこの曲を。ザ・フォーク・クルセダーズで、「イムジン河」。劇中、「イムジン河」を歌うのをやめさせようとしたプロデューサーに対して、ディレクターが「歌っちゃいけない歌なんてないんだよ!」というセリフがあるんですが、ラジオ部会にいる自分はここが一番泣いてしまいましたね。

“誰が祖国を分けてしまったの”

この悲痛な叫びを、是非聴いてみてください。聴いちゃいけない歌なんてないのだから。
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あと、「パッチギ!」と同じような題材で、同じくらい涙した作品を、タイトルだけでも紹介しておきますね。佐々部清監督作品「チルソクの夏」です。井筒さんと同様、自分で脚本も書いてます。
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  •  パッチギ!
  • 監督:井筒和幸 キャスト:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木
  • 2005.06.03 (Fri) 15:20 | 見なきゃ死ねるか!聴かなきゃ死ねるか!