ON AIR♯44 ~スティーブン・スピルバーグ監督作品「宇宙戦争」~
11月に江古田キャンパスで行われる芸術祭に向けて、着々とその計画が練られていくのです。部会LOVEの僕にとってはたまらないですな。6月末だからといって油断は禁物。こういう時期からしっかり青春を注げる先輩方の姿がかっこよかったです。
芸術祭では、僕ら一年生は部内で演劇をつくり江古田で披露するらしいです。もろもろの事情でできるかどうかはまだわかりませんが、是非やりたいです。
それと芸祭CDの作成。こっちでは面白おかしいラジオドラマを制作。当日はそのCDを無料配布!
そしてやっぱりラジオの公開生放送。みんなで江古田でラジオ番組を放送するぜ~!
そしてついに、FM入間で番組を持つときが近くなってまいりました。企画書を書いて、提出しなければなりません。これから一年間ほど、一年生はラジオ番組をローカル局の電波に乗せて放送できるのです。うひょひょ~!!
とまぁ、一年生の僕にはまだ経験のない出来事が目白押しであります。いやぁ本当にラジオを好きでよかった。この大学に入ってよかったなぁとつくづく感じる日々であります。
もちろん、こういうラジオ活動以外にも、サークルでラジオドラマの構想を練ったり、「打ち水」取材、小説を2作書いてゼミ誌の製作、そしてそしてバンド活動などなど、これまた目白押しであります。疲れるなぁ。充実してるなぁ。
今日はどうしても映画館に行きたい衝動に駆られ、1限2限をドロンし、MOVIXさいたまへと足を運びました。
観たい映画がありすぎて、正直どの映画でもよかったんですが、3限に間に合うスケジュールを考えた結果として「宇宙戦争」がちょうどよく、しかも今日公開日とあっては観ずにはいられず、平日モーニング料金で鑑賞してきましたよ。
ということで、今回も、映画生活というサイトで書いた感想を元に紹介していきます。
しかしこの作品には1953年の旧作があるので、先に旧作の感想も紹介しておきます。
宇宙戦争(1953)
2005.3/18(Fri) 映画チャンネル、ムービープラスで録画しておいたものを鑑賞。
「宇宙戦争」のオリジナル。新しい方から先に観るのもいいですが、気になる方はこちらの旧作も観てみてはいかがでしょうか。
新作の方にはダコタちゃんが出演してますが、旧作にダコタちゃんのようなちっちゃい子は出演してないですね、シルビアという大人の女性ならいたのですが。どれだけ新作が旧作と違うのか、やはり気になるところです。
円谷特撮と比べてしまうとやっぱり可哀想な出来なのですが、迫力や派手さでは負けてないし、とても頑張っていました。核爆弾や放射能の描きは下手っぴだし(そもそも、あんな近くにいたら、みんな被爆するのでは?)、序盤には吊ってるのが丸分かりなUFOも出没していましたが、最後の方は大丈夫でした。
音楽の使い方もとても素晴らしい。洋画だと、どんな災害シーンやど派手なシーンなどにも、余計な音楽を入れてしまうイメージがあるのですが、本作にはそれがない。不気味さを強くするために抑制された音楽を使用していたり、また、観客にあたかも災害を受けてるような感覚にさせるために、UFOの攻撃シーンでは敢えて音楽を使用しなかったりしていて、使いどころをわきまえてるんですね。
この作品は、戦争をカッコよく撮ってはいないと思う。むしろ、人間側がやられていく様が一生懸命描かれていて、他の映画とはまた違った怖さを感じる。不思議なことに、こういう描き方をした方がとてもリアルに感じてしまう。それが作り手の思惑だと信じたい。
登場人物としては、牧師さん(シルビアの叔父様)が一番気に入った。演じていた役者さん演技もいいだけでなく、何より牧師さんそのもののキャラクターに強い悲哀を感じるのです。信じて信じて報われない、という。
それだけに、ラストも映える。暴徒の出現、火星人の大破壊、もはや絶望か・・・そんな時に訪れた、このあまりにも皮肉なラストは、急すぎてあっけないかもしれないが必見です。自分はこれをとても批判できない。
少々ストーリー展開が急だったけれど、ダラダラ長い映画よりは断然いい。たった85分の中に、これだけの面白さが詰まっているとは驚きです。
これは夏が楽しみですね。果たして新作は・・・?
次が新作の感想になります。
宇宙戦争(2005)
1953年の「宇宙戦争」と同じようなオープニング・・・モーガン・フリーマンのナレーションで始まりを告げる本作。しかしながら、それ以外はほとんど新作として作りこまれている。それでも、ところどころに1953へのオマージュを感じるシーンがあり、旧作のファンとしても楽しめます。
スピルバーグ監督の絵の作り方は本当に素晴らしい。怪獣映画ファンの自分としては、UFOの登場に身震いをせずにはいられませんでした。コレなんですよ、得体の知れないでっかいものを見て感じる恐怖っていうのは!日本の特撮とすぐ比べてしまうのは自分の悪い癖ですが、最近の日本特撮とは違う、大きいものを大きく見せる映像の作り方は、さすがスピルバーグですね。
トム・クルーズははまり役。「ラストサムライ」で見せてくれた以上に僕を引きつけてくれました。彼のセリフの一つ一つが緊張感に溢れていて、しらける演技は一つもない。父親ならではアクションをうまくできていた。
主演陣以外のエキストラの活躍も見事。極限状態ならではの惨さとかを、旧作以上に描ききっている。
人が極限に陥ったときにとるであろう行動を、監督の演出はもちろん、脚本側の努力もあったことでしょう。
でも、決して宇宙戦争のパニック要素だけで押し切るのではなく、そのうちに秘めたテーマ(たとえば家族愛であるとか、戦争への確かな憎しみであるとか)が分かるから、最後まで目をそらせないんですよね。
ラストはきっと賛否両論になるだろうとは思いますが、自分はあれで満足しています。旧作への敬意、物語のテーマを考えると、少なくとも自分はこのラストが妥当だと思います。
人が殺し合いを繰り返すこの現代に、こんな事件が起きたらどうなるんでしょうね。本当に守るべきものをもう一度見つめなおすことが、今、求められているのではないでしょうか。
とにもかくにも、スピルバーグ監督は、あの素晴らしい旧作を、よくこういう形で世に送り出してくれたと思います。映像も物語りも手抜きなし。僕にとっては超大作にとどまらず、心の名作になりそう。この映画でスピルバーグの作品をもっと観たくなったのは言うまでもありません。
ついに「宇宙戦争」が、放たれた。
僕の先輩で、観た映画の感想をブログで書いている映画学科の先輩がいます。先輩にも是非観て頂きたいですね。
「宇宙戦争」の話をしたということで、「戦争」について語っているであろうこの曲をお届け。忌野清志郎で「JUMP」!
“夜から朝に変わる いつもの時間に
世界はふと考え込んで 朝日が出遅れた
なぜ悲しいニュースばかり TVは言い続ける
なぜ悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる”
“何が起こっているのか 誰にもわからない
いい事が起こるように ただ願うだけさ
眠れない夜ならば 夜通し踊ろう
ひとつだけ多すぎる朝 うしろをついてくる”
“世界のど真ん中で ティンパニーを鳴らして
その前を殺人者が パレードしている
狂気の顔で空は 歌って踊ってる
でも悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる”
ここまで現代に対するメッセージを込めて歌う日本のロッカーはあまり見かけない。この重い歌詞とは裏腹に、明るく、楽しく、キャッチーなメロディが印象的で、それがまた明日へジャンプす力をくれる。
ところで話は脱線するんだが、昨日、爆笑問題の太田さんが、TBSラジオで、戦争や憲法についてずっと熱く語っていた。
彼の意見は、つねに大胆で、某掲示板のラジオ板では重箱の隅をつつくような揚げ足取りを含む、たくさんの非難、中傷を目にした。
自分は彼の意見に大反対というわけでもなく、大賛成というわけでもなかった。彼のいうことで共感できることはたくさんあったけれど、ちょっとそれは違うんじゃないかと思うこともなかったわけじゃなかったんだ。
それでも、太田さんや、今日紹介したスピルバーグの心の奥底にあるのは、常に戦争への確固たる憎悪ではないだろうか。それを無関心なやつが面白がって、ヘラヘラした顔でバカにしていいものだろうか。ところどころの間違いを指摘して悦に浸るだけでいいのだろうか。
賛成するにしても反対するにしても、僕は太田さんの、社会を知ろうとする姿勢は支持している。自分じゃとてもできそうにない。無知は、時に幸せであり、僕はそれに甘えてしまう部分があるからだ。知ることを恐れず、社会への矛盾に立ち向かう彼の姿を、これからも見続けていきたいと思う。